まつりの時にOBから「なかなかいわきボランティア研修④がアップされませんねぇ」と言われておりました。大変遅くなりましたが、これでいわきボランティア研修は終わりです。

 

研修最終日。

この日は朝から「3.11この日、あなたは何をしていましたか?」というテーマで現地スタッフによる学習会が行われました。

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震災から6年経ち、まだまだ震災の爪痕は人々の心に深く残っているにもかかわらず、町はすっかり復興されて、私たちがこの地に訪れてもそれを肌で感じることが少なくなってしまいました。また、参加学生たちも2011年は中学生だったり、高校生だったりしてあまり印象に残っていない様子でした。

大学のある名古屋市も南海沖トラフ大地震がいつ起こってもおかしくない地域です。にもかかわらず、その危機管理は弱く、どこか他人事。一人暮らしをしている学生もいて、もし一人の時に地震が起こったらどうしたらいいのだろうか?何をすべきだろうか?どこに避難したらいいのだろうか?と常々考えておく必要があります。

ある時、学生たちと話をしていて、「もし地震が起こっって何か一つ持ち出せるとしたら何にする?」という話題になりました。管理人は夜中だと想定し、“眼鏡”と答えました。ST1「現金と通帳」、ST2「ひとつだってば!」と盛り上がる中である学生が「携帯電話と充電器」と答えました。

確かに情報を収集するために携帯電話は必要ですが、果たしてつながるのだろうか?はたまた電気が通っているかわからないの、に充電器は必要なのだろうか…、いろいろと想定してみて、もう一度その学生に「何を持ち出す?」と聞いてもがんと「携帯電話と充電器」と意見は変わりませんでした。

そのことがきっかけで、この学習会を企画し、事前に現地スタッフに聞きたいことをみんなでリストアップすることにしました。

質問をいくつか紹介すると…

・地震が来たとき、どこにいましたか?

・揺れを感じた時にまず何をしましたか?

・その時、何を持ち出しましたか?

・いつ頃、家族の安否が確認できましたか?

・この地域の学校はいつから再開しましたか?   など…でした。

学習会では現地スタッフの國田さんが特製テキストを用意してくださり、それを使い、途中学生の質問に答えながら進められました。

前日の交流会でこの学習会の話をすると、急なことにもかかわらず、他の現地スタッフの方数名もかけつけてくださり、より多くのことを聞くことができました。

学習会は國田住職の「あの日、あなたは何をしていましたか?」という質問から始まりました。「高校生の春休みでした」「見晴台学園で帰りの会を行っていました」とそれぞれこたえることができましたが、次の質問には誰も答えることができませんでした。

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「あの日、お昼ご飯何を食べましたか?」

その質問の意図を感じ取るには少し時間がかかりました。

穏やかな口調で住職が語りました。「この日、私は研修で富岡町(原発から約6キロの地域)に行っていて、お弁当を食べました。中にはこの日のお昼ご飯が最後になってしまった人もいます。当たり前の繰り返しはいつ当たり前でなくなるかわかりません」と。

当日の揺れは突然、かつ大きく、私たちの想像をはるかに超えた揺れのようでした。

住職の奥さんはその日庭師さんが入っていたこともあり、家にお母さんといたそうです。揺れはとても大きくとにかく庭に出て、三人で抱き合っていたそうですが、とても立っていられず、座り込んでしまったそうです。そんな中、とっさに持ち出したのが、“靴下”と“座布団”だったと笑って話されました。

Kさんは整体院に行っていて、地震にあったそうです。大きな揺れのため、自宅にいる足の不自由なお母さんのことがきになったものの、整体院の先生が盲の方だったため一人残すわけにはいかず、その先生を避難所に避難させ、急いで自宅へ。足が不自由なはずのお母さんは仏壇が地震の揺れで飛び出してきて怖くて庭に出て、木につかまっていたそうです。

地震が収まっても断水は3週間から1か月続き、「水がないのは本当に心がさみしくなる」と今でも水は常に確保しているとのことでした。

住職も病院に入院中のお父さんの安否が確認されたのは、地震から一週間後。その間の家族の心情を考えると苦しくなりました。

スーパーやコンビニはすぐに商品がなくなり、規制の中行列を作って商品を入手、火葬場は友引も夜間も関係なくフル稼働。火葬場で住職は宗派は違っても供養してほしいとお願いされたという話、胸が締め付けられる思いがしました。

他にも、まだまだ子どもたちが外で遊べる環境ではないけれど、決していわき汚い(危険)ところではない、物ではなく、心の中に宝物をいっぱい持って生きていってほしい、明日は何が起こるかわからない、だから自分や周りの人を大切に、風評被害はあるけれど、真実を自分の目や耳で知ることが大切、など

多くの思いや現実を知ることができました。いわきに行ったからこそわかった事実でした。

 

学習会後は、らら・ミュウでお楽しみの海鮮ランチとお買い物タイム。

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そして常設されている「いわきの東日本大震災展」見学

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避難所での一人分のブースが飾られていたり、農家の人の切実なメッセージなど学習会の後だったので、それを踏まえていろいろと考えながら見ることができました。

この日はお天気も良く海がきれいでした。震災当日、この海はどんな表情をしていたのか、全く想像がつきません。多くの人や家、そして思い出を飲み込んだことは事実です…

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二泊三日の研修はあっという間に終わり、いわき市駅へ。

そこには現地スタッフの方が見送りに来てくださっていました。

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バスが発車するまでずっと手を振って見送ってくださいました。この瞬間に「また来年も来よう!今度は後輩たちを連れて!!」と思うのだと思います。

今年病気で参加できなかった2年生が1年生だった時、母が帰宅後に「どうだった?また来年も行く?」と聞いたら、「行くの?ではなくて、行くに決まっているでしょ!」と答えたと聞きました。

それくらい、言葉では言い合わらせないくらいの経験をしているこの研修。

縁あって大学開校と一緒に始まったこの研修も今年で5回目。現地スタッフの「いわきのことを忘れないでほしい」「いわきのいいところを知ってほしい」そんな思いをこれからも見晴台学園大学はつないでいきたいと思っています。

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