いわきボランティアの旅 最終日(8月27日)

 お世話になった宿を後に、津波被害で壊滅状態になった豊間・薄磯海岸地域を視察。ここには毎年訪れ、研究生たちは復興の状況を自分の目で見ています。あいにくの雨ふりのため、動きが鈍くなってしまいましたが、あきらかに去年より整備されており、ダンプカーなどが多く行き来していました。また、防波堤は今までより2メートル高くなり、さらに防潮堤も作られていました。

 その後、同じ地域に住まわれており、津波で家が多大な被害にあわれた方のお宅に訪問させていただき、その時の様子や復興の状況など生のお話を聞かせていただきました。

・このお宅は文久3年に建てられた旧家。昭和18年に屋根をかやぶきから瓦にかえ、その重みでなんとか家は流されずにすんだ。

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・この地域の方たちは昔から海を見て、天候を判断して生活しており、また遠浅の海のために津波は来ないといわれており、それを信じていた。そのため、地震直後、漁師さんたちは灯台付近に海を見に行き状況を判断しようとしたが、結果100人近い方が海に飲まれてしまった。

・このお宅は海岸から約300メートル離れていたが、8~9メートルの津波が押し寄せてきて被害にあった。敷地内に新しい家を建て、完成2ヶ月後に地震と津波。一階は水浸し。電化製品全滅。

・奥さんは津波警報が発令されたことで、飼い犬の首輪を外して一緒に避難しようと準備している最中に津波にのまれる。運よく、エアコンのホースにつかまり、それ以上流されることなく、救出される。その際、飼い犬も流されそうになったけれど、奥さんの頭にしがみついて助かった。奥さんは大量の泥水を飲んでしまい、40日入院。わんちゃんは無事で、私たちのことも出迎えてくれた。

epson001←こんな状態。犬も必死!!

・家の中や敷地に流れ込んできたがれきを撤去するのに半年かかる。がれきの下には30㎝くらいの海の砂が流れ込んでいた。砂を撤去するのにゴミ袋1800袋。これらの撤去作業はボランティアの力がなければできなかったことだとしみじみ話されていた。

・多くのボランティアさんに手伝ってもらい、なんとか元の生活に戻れたが、人に助けてもらって初めて人のありがたみを肌で感じ、その家の娘さんは今では各地のボランティア活動にでかけている。

・復興はなかなか進んでいないのが現実。次々と問題が出てきている。いわき市は人災である原発事故の補償が中心で、自然災害の津波被害は後回しになっており、不公平感を感じている。

・現地は物質被害だけでなく、身体的・精神的被害もひどいがひどい。それがきちんと報道されておらず、ニュースは第三者視線。

・復興住宅などに転居している人もいるが、それでよしではなく、お年寄りには、ふるさと、コミュニティが何より大切。今まで住んでいた場所に帰って、今まで通り暮らせるようにしてほしい。

・津波対策のため、堤防がかさ上げされ、防潮堤が作られたが、家から海が見えなくなった。今まで海で状況等を判断していたのに生活が変わってしまった。

などなど、本当に貴重な生のお話を聞かせていただきました。

この企画は現地でしてくださった住職のおかげですが、見も知らぬ私たち10名以上の団体を家に中に入れていただき、1時間近くお話をしてくださったことに感謝です。学生たちも真剣に話に耳を傾け、質問や感想などを述べていました。

p8270571←きれいに掃除されて飾られるのを待っている神棚。

 その後、いわき市観光物産センター「いわき・らら・ミュウ」に移動し、お楽しみに海鮮丼を味わいました。注文し、丼が来る間、学生たちが席を立ち、どこかへ行ってしまい、何事か?と思っていたら、なんとそれぞれ両替をしに行き、支払いの時に困らないようにしていたようです。これは誰の提案なのかわかりませんが驚き、慌ててスタッフテーブルもお財布の中を確認し、支払いに備えました。

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 ランチ後は常設されている「いわきの東日本大震災展」を見学。職員の方に震災当日の話や復興状況を聞いたり、展示されているパネルを見たりしました。

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 お土産もたっぷり購入し、今回参加できなかったOBおすすめのタコせんべいも試食し、後は帰るだけ。

 駅には光景寺のスタッフさんたちが何人かお見送りに来てくださり、感激。電車が見えなくなるまで見送ってくださいました。こういう体験が「帰りたくない!」「また来年も来たい!」という気持ちを作るのだと思いました。

 ちなみにOB H1さんとはいわき駅でお別れ。彼は高速バスで東京へ、そして東京ー名古屋は夜行バス。OB H2さんは東京駅でお別れ。彼も名古屋へは夜行バスで帰りました。

 本体は新幹線で20時過ぎに無事名古屋へ。体調を崩したり、けがすることなく、全員で元気に帰ってこられてよかったです。そして、何より初参加の1年生がやり切ったという自信に満ち溢れた表情をしていたことが大きな収穫でした。

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 先輩たちがつないできたいわきとの絆を彼らが受け継いだ瞬間。また1年間今回経験したことを温め、来年は新しいメンバーとともにこの活動をしたいと思います。